夏の試合シーズンに向けて、前回の投稿に引き続き今回も試合への臨み方について考えたいと思います。
「絶対勝つ」「このポイントは取る」——そんな言葉を、自分や選手に向けて使ったことがある方は多いと思います。その強い意志は本物です。でも一度、立ち止まって考えてみましょう。
その言葉は、本当に力になっているでしょうか?
■ 「勝つんだ」という言葉が、逆に迷わせることがある
「絶対に勝つ」「負けたくない」——これらは強い感情を表す言葉ですが、試合中に「どうやって」の答えを持っていません。
感情が高ぶった状態のまま動こうとすると、身体は何をすればいいかわからなくなります。コーチが気合を入れて「このポイント取るぞ!」と伝えても、選手の中に具体的な動きのイメージが生まれなければ、プレッシャーだけが残ります。
試合中に信頼できる言葉は、より具体的な方法や道筋を思い起こさせる言葉です。
■ 「何をするか」にフォーカスする
「勝つために何をするか」——このひと言の転換が、試合中の自分を支えます。
たとえば、「リカバリーポジションへの戻りを意識する」「高い軌道のボールでダウンザラインに持っていき、相手をコートの外に追い出す機会を増やす」「スイングボレーを迷わず打つ」——こうした具体的な課題を持つことで、勝ち負けというプレッシャーから少し解放され、自分の成長を実感しやすくなります。
そして「それは君にはできる」というコーチからの言葉が、ただの決まり文句ではなく、実際の練習に基づいた”何ができる”がはっきりと見える言葉となり、選手の背中を押す言葉に変わるのです。
■ コーチの言葉が選手に与える影響
コーチの言葉は、選手の中に深く残ります。
「膝を曲げろ!」「足を動かせ!」「ボールを押せ!」「水を飲むな!」——こういった言葉をずっと抱えたまま、意味がわからないまま従い続けている選手は少なくないと思います。
JTLでは、「なぜ」を伝えることをあきらめないようにしたいと考えています。「水を飲むな」にも「ボールを押せ」にも、科学的に見ると根拠が見つかりません。だからこそ、わかるまで説明することが大切です。
理解できない選手が悪いのではありません。あきらめず伝えようとコーチ自身が成長することは選手のためにもなり、そして自分自身のためでもあるのです——その姿を、選手はきっと見ています。
一度深く理解して得た知識は、その後の多くの場面で自在に使われていきます。それは選手だけでなく、コーチ自身にとっても同じです。
■ 課題を持って、試合に臨もう
「今日の試合で何を試すか」——そのひとつの問いを持って、コートに立ってみてください。
勝ち負けの結果ではなく、勝ち負けの呪縛から少し離れ勝利に辿り着くための道のりを進んでいることを感じ取れたとき、試合はもっと豊かな経験になるとJTLは考えています。
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