パワーについて – Create a power at the contact –

テニスにおいては1990年前後からフィジカルトレーニングの一般レベルへの普及やトレーニング方法の確立、ラケット性能の進化などによって各技術のパワー化が進みました。

テニスにおけるパワーとは一般的にラケットを通してボールに伝えられる瞬間の仕事量、つまり速度 x 力になります。どれだけのスピードでラケットがボールにコンタクトできるかが速度でラケットの重量が力と置き換えることができます。パワーは速度と力の積なのでラケットの重量とスイングスピードの積が最大になる組み合わせを考えることになります。

つまり、ラケットがいくら重くてもスイングスピードが遅いとパワーは失われ、スイングスピードがいくら早くてもラケットの重さがなければボールに最大の力を与えることはできないのです。

ここでは、スイングスピードを上げるための概要について科学的な視点から考えてみることにしましょう。

スイングスピードは、コンタクト(インパクト)時のラケットの移動速度(単位時間あたりにどれだけの距離を移動するかということ)になります。ラケットの移動速度に直接的に関係する体の部位はラケットから近い順に手首、腕、肩、腰となりますが、これ以外の体の部位もラケットの移動速度に間接的に関わっています。

スイングスピードを高めるためには、適切なタイミングでエネルギーを発生させ、地面から得られる反作用の力を使い大きなエネルギーを得ること、そして獲得したエネルギーを効率よく伝えていきスイングスピードに変換することが重要です。

これらを学問的に説明する場合、力積保存の原理や作用・反作用の原理など主にニュートンの法則によって説明することができます。法則の詳細などを知りたい場合は物理の教科書などに詳しく説明されています。

各ショットにおけるパワーの発生原理については、次回以降にショットごとに考えていきたいと思います。