コーチングについて – About Coaching –

現代のテニスにおけるコーチングは様々な分野に渡ります。技術、メンタル、フィジカル、戦略/戦術、環境予測など一人のコーチが受け持つには必要とされる情報があまりに多すぎます。

コーチングは求められる成果により追及するもののバランスは変わりますが、どのレベルにおいても最も効率的かつ安定的にそれぞれのプレーヤーが最高のプレーをするための手助けをすることを目的とします。

本web-siteでは主に世界1位を目指すという視点を中心にブログを更新していきますが、これは世界1位を目指す技術は最も効率が良いものであっても、最も苦しい練習のうえに成り立つものであるということではないということと結びついてます。一般のプレーヤーやウイークエンドプレイヤーにとっても効率的な技術の習得はそれぞれのテニスライフをより楽しませるものになると我々は信じています。

ここからは世界1位になるためのコーチングについて考えていきましょう。まずは世界1位になるためのメソッドを山登りに例えて考えてみることにします:-

1)登ろうとする山 = 世界一高い山 = 世界1位

2)山を登る人 = プレーヤー

3)山を登るための地図とスケジューリング、コンパス = プランニング / コーチング

4)山を登るための技術:テニスの技術

5)山を登るための体力:フィジカル

6)登山中の対応 :戦術/戦略

7)登山中の精神力:メンタルタフネス

他にもどれくらいの期間でその山に登る必要があるのかやけがやリハビリへの準備、対応など様々な要素に分類できます。それでは、それぞれの要素について個別に考えましょう。

1) 登ろうとする山・・・未踏峰の世界一高い山に登ることを目標とします。しかし地上から見る者にとってどの山が一番高いかを知ることは困難を極めます。より多くの情報、道具などに関する最新技術やトレーニング方法、トレーニングメソッドの最新状況などの情報をもとに山を登りきるタイミングを考えその将来の時点において可能な最高技術を予測することが重要です。この際の予測が予測をする時点における最高の技術である(=現No.1)と考えてしまった場合、山を登りきるころにはその技術はすでに5年や10年前の過去の遺物になっていることを理解する必要があります。社会的プレーヤーやウイークエンドプレーヤー(以降ソーシャルプレーヤーと呼びます)への指導とはこの点が主に異なります(多くのソーシャルプレーヤーは数年後の成果よりもう少し短い期間での成果を望む傾向にあります)。

2) 山を登ろうとする者・・・プレーヤー自身です。もっとも重要なことは山に登るという気持ちを持つことです。山に登ろうという気持ちからすべては始まります。プレイヤーに今回の話をしておくことは大きな意味を持つはずです。山の途中でくじける必要はありません。他の山に早く登る人がいて焦ったり諦めたりしたくなるかもしれませんが、その人が登っている山の頂上が自分の上っている山の頂上より高いかどうかは登り切るまで分からないのです。他の山と比べるのではなく自分が山を着実に登っているかどうかに集中するようにしてみましょう。

3) 地図とスケジューリング、コンパス:地図は世界1位になるための道筋を示すものでスケジューリングはいつ登頂するかといつまでに何をすべきかを考えるものです。コンパスは地図とスケジューリングに沿って進めているかどうかを指し示し、またどちらに進むかを指し示す者、つまりコーチになります。コーチが優れたコンパスの役目をできなければプレーヤーは山に登ることが難しくなります。また見えにくいコンパスや針が安定しないコンパスのように信頼できないコーチではプレイヤーが信頼して進むべき方向に向かってくれないという状況をも生み出しかねません。優れたコンパスであるための努力を惜しんでいては優れたコーチにはなれません。

4) 技術:高い山を登るために優れた登山技術が必要なのと同じくテニスで世界1位になるためにも優れた技術が必要になります。技術は一朝一夕で身につくものではなく正確な反復練習によってのみ身につくものです。一方で誤った指導による反復練習は非効率な技術を身に着けることにつながります。一度作り出された神経回路はその回路を完全になくすことは大変難しいものであることから最初から正しくそして必要な技術を学ぶことが大切です。コーチの皆さんは教えている瞬間だけでなく、その後の技術の成長に対しても重要な役割を果たしているのです。

5) 体力:山を登るには体力が必要です。その山が高く険しくなればなるほど優れた体力とフィジカル面での優れたパフォーマンスが必要になります。一時的な体力の上昇ではなく山を怪我無く登りきる体力とフィジカル面のパフォーマンスを計画的に向上させていくことが大切です。体力やフィジカルパフォーマンスを技術と結び付けて考えることも重要です。

6) 登山中の対応:登山中に起こるさまざまな現象やルートの見直しなどもそれらが起こる可能性を考え先に対策を立てたり準備をしたりしておく必要があります。テニスにおいても試合でどのようなことが起こるのか予想をし、それらの状況に適切な対応を取ったり乗り越えることのできる準備をしておくことが重要です。テニスの戦略や戦術を考えることは、登山において予想される危険が起きないようなルートを考えたり危険性に対する事前の準備をすることと同じく重要です。

7) メンタルタフネス:上にあげたような努力や学習を遂行するためにはしっかりとしたメンタルタフネスの土台が必要になります。高く険しい山を登る、登りきるという強い信念は困難と思われるような努力や高い障壁をも時として喜びに変えてくれます。また、多くの場合個人で取り組むよりもチームで取り組むことで、”そこに登りたい山があるから登れるようになるための努力をしている”という前向きな気持ちを持てるようになります。

さあ、私たちをあなたのチームの一員に組み込み高く険しい山に挑みましょう!!

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